2023/3/18
【最新情報:論文掲載】
Biocontrol Science Vo.27 No.3(2022)
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/bio/list/-char/en
【要旨】
NanoGAS®️水とはシンバイオシス株式会社が特許を取得した製造方法で製造され、ナノサイズの微細気泡(ナノバブル/ウルトラファインバブル)を含む。ナノバブルには殺菌効果が認められていることから、オゾン及び水素NanoGAS®️水の殺菌効果を検証した。
オゾン及び水素NanoGAS®️水に黄色ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌をそれぞれ加え、37℃下で反応させたところ、黄色ブドウ球菌では3時間後に、大腸菌では6時間後に、コントロールと比較して有意な生菌数の低下が見られ、気体に依らないNanoGAS®️の殺菌効果を証明した。
【目的】
NanoGAS®️の殺菌効果を検証する。
【検証方法】
S.aureus, E.coliをそれぞれ約1000CFU/mLの濃度で調整した菌液0.1mLに対し、H2,O3 NanoGAS®️ (原液), Injection Water(IW), Salineのそれぞれ0.9mLに懸濁し、懸濁直後の懸濁液を平板培地に2枚に塗布(0.1mL/枚)する。懸濁1,3,6,9時間後に同様に平板培地に2枚に塗布した。全ての平板培地は37℃で培養し、E.coliは24時間、S.aureusは48時間で細菌数のカウントを行い、細菌生存率を以下の式を用いて算出した。
【結果】
図1 E.coliの細菌生存率の経時的変化(*:IWと比較してp<0.05の割合で有意差あり。N.D.:検出不可)
図2 S. aureusの細菌生存率の経時的変化(#: Salineと比較してp<0.01の割合で有意差あり, *:IWと比較してp<0.05の割合で有意差あり N.D.:検出不可)
封入気体に関わらず、H2,O3 NanoGAS®️の両群において、 E.coliは6時間でIWと比較し有意に細菌生存率が低下し、S.aureusは3時間でIW,Salineと比較して有意に細菌生存率が低下した。
他の研究報告(Yamaguchi et al., 2021)と比較すると、今回使用したNanoGAS®️水はNanobubble粒子個数が少なく、殺菌効果を発揮するまでの時間が長かった。以上のことから、細菌懸濁法において、殺菌力はNanobubble数に依存する可能性が示唆される。
殺菌に対する圧壊、封入気体、ROS(活性酸素)発生などの関連は更なる研究が求められる。