2020/9/1
DDSという創薬分野の言葉をご存知でしょうか。
糞便微生物叢移植でナノバブルを使っているのは、菌たちを腸へ確実にお届けするためという話をしたとき、弊社顧問の塚本先生が「それはDDSだ」と、語ってくださったのをよく覚えています。
DDSは正式にはドラッグ・デリバリー・システム(薬物送達システム)と呼びます。
体内での薬物分布を制御することで、薬物の効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とした技術。
それがDDSの定義です。
薬というのはその成分や効能だけでなく、
「どこで効いて」「どのように作用して」「どのくらい持続するのか」ってことが重要です。
1980年代頃から、低分子医薬品と呼ばれる人工的な有機化合物が創薬の主流になりました。
虫眼鏡を携えて目を凝らしていた時代から、クモの巣みたいなマークの化学的な人工的操作に突入したわけです。
そして今。
創薬の世界は再び大きな転換点を迎えています。
これらの新しい創薬には、DDSの概念がデフォルトで組み込まれている。
体に送り込む物質そのものも大事なんですが、それを「どのように活躍させるか教育する」というイメージです。
塚本顧問はこのように考えられています。
私の想いは今は生理活性物質の探索も然ることながら、既知の沢山知られている生理活性物質のDDS化研究に注力するのが、創薬確率は高くなり国策にしてもと思うくらいです。
シンバイオシス研究所が日本DDS学会に出展させていただいた話をします。
武田教授率いる神戸学院大学薬学部薬物送達システム学研究室と、ナノバブルがDDSの役に立てないか、共同研究をさせていただいています。
2020年8月28日と29日、武田教授が大会長を務められた第36回 日本DDS学会に出展企業として参加しました!
コロナ対策も万全で、シンバイオシスからは「研究を瞬かせる次世代新素材 ナノバブル」と題して、二日間のオンライン発表を行いました。
森下研究員と清水研究員は、学会の他の演題も聴講し、とても有意義な時間となりました。
創薬と病気はいたちごっこのようです。
薬の技術がすすむと、新しい病気や新型ウイルス、耐性菌が出現する。
ナノバブル技術が、これからの医療に新しい風を吹かせられますように。