2025/12/23
このたび当社は、水素ナノバブル含有水溶液(水素NanoGAS®︎水)に関する技術を特許出願いたしました。本ページでは技術の内容を分かりやすくご紹介します。
水素NanoGAS®︎水は、直径が1μm未満のナノサイズの気泡(ナノバブル)に水素ガスを閉じ込めた水溶液です。ナノバブルは微小であるため水中に長時間留まり、通常の気泡とは異なる物理化学的特性を示します。
本出願では、上記の水素NanoGAS®︎水を有効成分とする製剤設計、製造方法、及び用途に関する技術的アイデアを含みます。製剤形態としては注腸液、うがい液、ローション、スプレー、ジェル、エマルジョン等を想定しています。
1、物理的除去作用
ナノバブルは表面に電荷を帯びやすく、汚れや微生物が形成するバイオフィルムと静電的に相互作用することで付着物を剥がしやすくします。さらに、気泡の崩壊に伴う微小キャビテーションが局所的なせん断力を生み、付着層の物理的剥離を促します。
2、水素の生体機能
水素は局所的に供給されることで抗炎症や酸化ストレス低減に寄与する可能性が示唆されています。ナノバブルは水素を安定的に溶液中に保持できるため、効率的な局所供給手段となります。
3、相乗効果
物理的な洗浄作用と水素の生体影響が組み合わさることで、単独の洗浄剤や保湿剤とは異なる多面的な効果が期待されます。
・長時間の気泡安定性:
ナノサイズのため溶液中で長く留まり、持続的な作用が期待できる点
・物理的・静電的洗浄:
化学薬剤に頼らず付着物やバイオフィルムを除去する能力
・微小キャビテーションの利用:
付着層を機械的に剥離することで、前処理や洗浄効率を高める可能性
・多用途適用性:
腸内処置、口腔ケア、皮膚ケア、褥瘡ケアなど用途に応じた処方設計が可能
・製剤柔軟性:
液体、スプレー、ジェル、エマルジョンなど多様な剤形での実装を想定
・注腸投与による糞便微生物叢移植の前処置:
腸管内の付着物やバイオフィルムを除去し、移植する微生物が定着しやすい環境を整えることを目的とします。
・便秘症状改善用の注腸製剤:
腸管運動の促進や付着物の除去を通じて排便を補助する用途を想定します。
・内視鏡検査前の腸管洗浄補助:
緩下剤の使用量低減を目指し、物理的洗浄で腸管内の付着物を除去することで検査前処置の負担軽減を図ります。
・腔内洗浄剤(うがい液等):
口腔内のバイオフィルムや付着性汚染物質を静電的・物理的に除去し、口腔衛生の補助を行います。
・皮膚洗浄・保湿製剤:
炎症の軽減、皮膚バリアの回復、保湿性の向上を目的としたローションやスプレー、ジェル等の外用剤。
・褥瘡への局所噴霧:
傷周囲の洗浄と治癒促進を補助する局所スプレーとしての利用を想定します。
1、患者負担の軽減
緩下剤や強い化学薬剤の使用量低減により副作用リスクや患者の負担を抑制する可能性があります。
2、医療現場の効率化
前処置や洗浄の効率化により検査・治療の準備時間短縮や精度向上に寄与することが期待されます。
3、介護・在宅ケアへの応用
刺激が少ない洗浄・保湿手段として介護現場での導入が見込まれます。
当社が出願した本技術は、ナノバブルの物理的作用と水素の生体機能を組み合わせた新しい水溶液製剤のプラットフォームです。腸内処置、口腔・皮膚ケア、褥瘡治療など多様な分野での応用が期待され、現場の負担軽減や新たな製品価値の創出に貢献する可能性があります。
当社は、この「水素NanoGAS®︎水」技術を、医療機関、製薬・化粧品メーカー、介護施設等の皆様へ幅広く提供し、現場の課題解決に貢献したいと考えております。
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